公開 2024年09月08日  I 更新 2024年09月08日

1. ベトナム小売り事業に関する外資規制、事業条件

※無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用をご遠慮いただきますようお願いいたします。

目次

17. 業種 6.貿易 NO.1

※無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用をご遠慮いただきますようお願いいたします。

 

1. 規制等の概要

 

事業名:小売り事業

ベトナム法上の正式事業名

 CPCコード

VSICコード

小売り事業

631  

632

61112, 6113, 6121

商品の品目や販売形態に応じて決定されます。

※注意事項:

VSICコードについて

商品の品目や販売形態に応じて、詳細な事業コードが異なります。例:車の小売事業、スーパーマーケットでの小売り事業、ミニスーパーマーケットでの小売り事業、コンビニエンスストアでの小売り事業、食品の小売り事業等

投資・事業に関する条件

  •      WTOコミットメント
  •      その他国際条約
  •      ベトナム国内法令に基づく条件(ベトナムにおける外国投資家および外資企業の、商品売買活動および商品売買に直接関連する活動に関する商法および対外貿易管理法の細則を規定する政令NO 09/2018/NĐ-CP号)

小売り事業は、外国投資家、外資企業に開放されています。しかし、国境を超えるサービスをの提供を認めません。個人の消費目的の商品が消費者に届く場合を除きます。(この場合、日本のECサイトからベトナムの消費者に直接販売することが可能です。)

そのため、ベトナムで小売り事業を行うには現地法人が必要です。外資が100%出資しても問題ありません。

取り扱う品目の制限

  •      潤滑油、グリース;米;砂糖;映像記録された物品;本、新聞、雑誌以外のベトナム国内で生産する製品とベトナムに合法的に輸入した輸入品を販売することができます。
  •      既にスーパーマーケット、ミニスーパーマーケット、コンビニエンスストアの形態で小売店舗を保有する場合には、それらの小売店舗で米;砂糖;映像記録された物品;本、新聞、雑誌を販売できるように、個別の「米;砂糖;映像記録された物品;本、新聞、雑誌の小売ライセンス」を取得する必要があります。

個別ライセンスの取得

小売り事業を行うために、個別ライセンス(事業ライセンス)を取得する必要があります。

管轄機関:会社本店所在地の商工局

小売店舗の設立ライセンスの取得

1号小売店舗の場合:小売店舗の設立ライセンス

第2号以降の小売店舗の場合:経済的ニーズのテストを行う必要がある場合と経済的ニーズのテストを行う必要がない場合に分けて手続きを行う必要があります。

その他

ECサイトで小売り事業を展開する時、そのECサイトの登録も必要です。

 

 2. “TIP

 

外資企業としてと取り扱わない外国の出資を有する企業の場合(以下の図に記載する「国内企業」)は、上記の外資制限に関する条件を満たす必要がりません。


 

3. 事業ライセンス(小売りライセンス)、小売店舗設立ライセンスの取得に関する注意点等

 

   (1) 事業ライセンス(小売りライセンス)

 

  •      事業ライセンスは、個別ライセンスであり、事業を開始する前に必ず取得する必要があります。店舗での小売り事業を行わず、インタネット(ECサイト)や個別発注に基づき小売りを行う場合でも、小売りライセンスの取得が必要です。
  •      小売りライセンスの管轄機関は、商工局であるため、手続きの費用や時間の負担は、若干大きいです。

    (2) 小売店舗設立ライセンス取得の流れ


     (3) エコノミック・ニーズ・テスト(ENT)を行う必要がある場合の要件

 

  •      第2号の小売り店舗設立する時に、その小売店舗の面積が500平方メートル未満であり、ショッピングモール内に設立され、かつコンビニエンスストアやミニスーパーマーケットに該当しない場合を除きエコノミック・ニーズ・テスト(ENT)を受ける必要があります。
  •      ENT審査委員会は、人民委員会によって設置されます。ENT 審査委員会は、ホーチミン人民委員会、商工局、計画投資局、交通運輸局、資源環境局、区の人民委員会から構成されます。)。ENT 審査委員会の設置だけでも時間がかかります。ENTの承認結果を得るまでに、半年以上かかると考えておいたほうがよいです。

 

ENTについて、CPTPPにより、2024年1月14日以降ENT手続きを排除するという約束をしています。しかし、当局に確認したところ、「ENTを排除するためには、国内法律に反映するか、個別承認を受けるか」という条件が必要であり、CPTPPにコミットメントをした条文をそのまま適用することができません。しかし、ベトナム国内法の整備は、かなり遅れていますので、現時点でもENTを受ける必要があると要求されます。

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