公開 2025年04月11日  I 更新 2025年04月11日

ベトナムにおける教育サービス分野への外国投資の条件

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ベトナムにおける教育サービス分野への外国投資の条件


教育 公開 2025年04月11日  I 更新 2025年04月11日
目次

ベトナムにおける教育サービス分野への外国投資の条件

01 - 業種分類(事業内容の詳細)

 

教育サービスの活動内容の詳細は、次の通りです。

  • 幼児教育(保育園、幼稚園)
  • 初等・中等教育(小学校、中学校、高等学校)
  • 職業教育(初級・中級・短期大学)
  • 高等教育(大学、修士、博士課程)
  • その他の教育(スポーツ・レクリエーション、文化・芸術など)

 

02 - 市場アクセス制限に関する条件

 

2.1. WTOVKFTAVJEPAEVFTAに基づく制限

■教育サービス(CPC分類:CPC 921929

  • 約束された分野:技術、自然科学、ビジネス管理、経済学、会計、国際法、語学教育
  • 小学校教育(CPC 922):未約束
  • 高等教育(CPC 923)、成人教育(CPC 924)、その他の教育サービス(CPC 929:語学教育含む):制限なし、100%外国資本による教育機関の設立可能

教育プログラムはベトナム教育訓練省の認可が必要。外国人教員は最低5年の教育経験が必要で、かつベトナム当局による資格認定が必要。

■職業教育(CPC 92239231

  • 約束された分野は上記と同様。
  • 成人教育および語学教育に限り提供可能。
  • 教育プログラムは所管官庁による認可が必要。

 

2.2CPTPPに基づく制限

INCM I-VN-11

  • 高等教育、成人教育、語学教育を含むその他の教育サービスについて、以下の分野は外国投資が禁止されています。
    • 安全保障、国防、政治、宗教、ベトナム文化、道徳・社会倫理に関わる科目
    • ただし、他のFTAで認められた科目については例外あり

NCM I-VN-38

  • 小学校・中学校教育サービス:外国投資は禁止。ただし、以下の条件下で例外的に可能です。
    • 外国人児童向けに外国のカリキュラムを採用する幼児教育機関
    • 外国人および一部のベトナム人児童(小中で最大10%、高校で最大20%)向けに外国のカリキュラムを採用する学校

 

2.3.ベトナム国内法における規定

  • 教育分野における外国投資に関しては、政令86/2018/NĐ-CPに基づく
  • 外国語能力認定試験の共同実施:同政令第15条第2項により規定
  • 職業教育施設の設立条件:政令15/2019/NĐ-CP911

 

03 - 教育サービス分野の具体的投資・経営条件

 

3.1. 投資条件

  • 外国投資家の持株比率:制限なし。100%外国資本による教育事業運営が可能
  • 投資形態:経済組織の設立株式・持分の取得

 

3.2. 経営条件

■資本金の最低要件

  • 幼児教育施設:最低3,000VND/児童(用地費用を除く)
  • 初等・中等教育施設:5,000VND/生徒、総投資額は最低5,000VND(用地費用除く)
  • 短期研修施設:最低2,000VND/受講者
  • 大学教育施設:最低15,000VND/学生、総投資額は最低3,000VND
  • 分校設立:上記と同様の投資水準が必要
  • 施設を新設せずに既存設備を賃借・出資利用する場合:上記投資額の70%以上必要
  • 職業訓練センター:最低6,000VND/学習者
  • 中級・短大レベル職業学校:最低1VND/学習者、総額は最低1,000VND

■教育機関の種類

  • 短期研修施設
  • 幼児教育施設(外国人児童向け外国カリキュラム)
  • 外国カリキュラム・外国資格授与を行う初中高教育施設(ベトナム人生徒の割合制限あり)
  • 大学・大学院教育施設

■施設要件(代表例)

  • 幼児教育:平均8m²/児童(都市部)、12m²(農村)
  • 初等・中等教育:平均6m²/生徒(都市)、10m²(農村)
  • 高等教育:平均25m²/学生(土地)、9m²(建物:学習6m²+生活3m²
  • 全施設において:教室・機能室・水道・トイレ・安全基準等の整備、遊戯場・スポーツ施設・図書館・給食設備等が必要

■教育プログラムの条件

  • ベトナム国家利益・道徳・文化・安全保障を侵害しない内容
  • ベトナムまたは外国の認可プログラムを導入可能(法令による)

■教員の条件

  • 短期研修:高等専門資格、学習者25/教員まで
  • 幼児教育:幼稚園教員資格、年齢別に定められた児童数・教員数基準を遵守
  • 初中高教育:教育学士以上、教員数比率を満たす(例:高校は2.25教員/クラス)
  • 高等教育:修士以上、博士50%以上(特定分野は除外)、常勤教員が60%以上の講義を担当、教員1人あたり最大25名(専攻により異なる)
  • 外国人講師:実務経験・学位・言語資格が必要

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