公開 2025年04月02日  I 更新 2025年04月02日

ベトナムの外国人労働許可証の取得要件が大幅緩和! 企業と労働者にとってのメリットとは

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ベトナムの外国人労働許可証の取得要件が大幅緩和! 企業と労働者にとってのメリットとは


労務 公開 2025年04月02日  I 更新 2025年04月02日
目次

2023年9月18日施行の政令70/2023/NĐ-CPにより、ベトナムでの労働許可証(ワークパーミット)取得が簡単に! 本記事では、専門家・経営管理者の労働許可要件の緩和、パスポート提出手続きの簡素化 など、外国人労働者と企業の採用プロセスに関わる重要な改正点 を詳しく解説します。 ✅ 学位証明の要件緩和 ✅ 実務経験の柔軟化 ✅ 管理職の範囲拡大外国人労働者の雇用を検討している企業や、ベトナムで働きたい外国人にとって必読の情報です!

2023918日より施行された政令70/2023/NĐ-CPは、ベトナムで働く外国人労働者に関する一部の規定を改正しました。本政令により、労働許可証(ワークパーミット)の発給要件が緩和され、手続きが簡素化されることで、外国人労働者が必要な許可を取得しやすくなります。以下に、改正の詳細について解説します。

 

 01 - 労働許可証の発給条件の変更

 

政令70/2023/NĐ-CP の施行により、専門家(エキスパート)や経営管理者(ディレクター)としての労働許可証の発給条件が緩和 されました。これにより、外国人労働者は必要な条件をより満たしやすくなり、証明書類の準備も容易になりました。

 

1.1.  専門家(エキスパート)について

従来の規定

以前は、外国人労働者が「専門家(エキスパート)」としてベトナムで働くためには、以下の条件を満たす必要がありました。

  • 大学卒業(学士号)以上または同等の資格を有し、かつ、関連分野で3年以上の実務経験があること。
  • 学士号の証明書が必須。(しかし、実際には学位証明書を紛失した人も多く、その場合、証明書の取得が困難となり、労働許可証の発給ができないことがあった。)
  • 専門分野と実務経験が一致していること。(この要件のため、経験証明書の取得に困難を伴い、一部の申請者が実際の経験とは異なる証明を提出せざるを得ないケースもあった。)

新しい規定(緩和後)

【条件の変更】

「大学卒業(学士号)以上または同等の資格を有し、かつ、予定している職務に関連する分野で3年以上の実務経験を持つこと。」

主な変更点:

学士号(卒業証書)を提出する必要なし。卒業証明書(修了証)で代用可能。

実務経験が、大学の専攻と一致する必要がなくなった。予定している職務に関連する経験があれば許可証の取得が可能。

 

【専門家・技術労働者の証明書類の拡充】

政令70/2023/NĐ-CP では、「専門家」や「技術労働者」の証明書類の種類も拡充されました。これにより、より柔軟な証明手段が認められるようになりました。

証明書類の種類

  •      学位証明書・修了証書・資格証明書
  •      海外の企業・組織・機関による経験証明書
  •      既に発給された労働許可証又は労働許可証免除証明書

変更点:

すでに労働許可証または免除証明書を取得したことがある外国人労働者は、新しい職務に移る場合、再度経験証明書を提出する必要がなくなります。代わりに、以前の労働許可証または免除証明書を提出するだけで申請が可能になります。

 

1.2.  経営管理者(ディレクター)について

従来の規定

これまで、「経営管理者(ディレクター)」 として労働許可証を取得するためには、以下の条件を満たす必要がありました。

企業、組織、機関の最高責任者であり、直属の部門を直接指揮する者であること。」

この定義では、企業の代表者(CEO、ゼネラルマネージャーなど) に限定され、部門責任者や特定分野の管理職は労働許可証の対象外でした。

新しい規定(緩和後)

【対象者拡大】

政令70/2023/NĐ-CPの改正により、経営管理者の定義が拡大され、以下の要件が適用されることになりました。

 「企業、組織、機関の直属の部門を統括し、少なくとも1つの分野を直接指揮し、組織のトップの指示のもとで業務を遂行する者」も「経営管理者」と認められる。

主な変更点:

企業の代表者だけでなく、部門責任者も「経営管理者」として認められるようになっている。

特定の分野を直接指揮し、企業・組織のトップの管理下で業務を遂行する者も対象。

 

【経営管理者・ディレクターを証明する書類の種類の拡充】

政令70/2023/NĐ-CPでは、「経営管理者(ディレクター)」の証明書類の種類も拡充 されました。

証明書類の種類:

  •       会社の定款または組織の運営規則
  •       企業登録証明書または設立許可証、機関、組織、企業の決議または
  •       任命決定書

「任命決定書」が特に重要なポイント!

企業の定款や設立文書に記載されていないポジションでも、「任命決定書」があれば労働許可証の取得が可能になります。企業は外国人労働者の雇用をより柔軟に進められる ようになり、採用の自由度が高まります。

 

 02 - 手続きの簡素化

 

政令70/2023/NĐ-CP の改正により、ベトナムでの労働許可証の申請手続きが簡素化され、外国人労働者にとってより便利になりました。

2.1.  これまでの規定と課題

従来の規定では、外国人労働者はベトナムで働く前に労働許可証を申請できましたが、その申請書類の一部として「認証済みパスポートのコピー」が必須でした。

問題点:

「認証済みパスポートのコピー」を取得するには、労働者本人がベトナムに入国する必要があり、申請の負担が大きかった。これにより、外国人労働者は事前の入国手続きや渡航費用が発生し、企業側の採用プロセスにも影響を与えていました。

 

2.2.  改正後の変更点

政令70/2023/NĐ-CPの改正では、次のように規定が変更されました:

「認証済みパスポートのコピー」 を 「認証済みパスポートのコピー または 企業が認証したパスポートのコピー」 に変更。

 

2.3.  変更のメリット

外国人労働者の負担軽減

  •      ベトナムに入国せずとも、労働許可証の申請が可能になった。
  •      事前の入国手続きが不要となり、渡航コストや時間を削減できる。

企業の採用手続きが迅速化

  •      企業側がパスポートのコピーを認証できる ため、申請手続きの簡素化と迅速化 が可能に。
  •      リモートでの採用プロセスがスムーズになり、企業の人材確保がしやすくなる。

海外からの人材誘致が容易に

  •      特に高スキル人材や管理職の採用において、ベトナム国外からの申請が容易になった。

 

まとめ

今回の政令70/2023/NĐ-CP の施行により、外国人労働者の労働許可証の取得要件が大幅に緩和 されました。特に、専門家(エキスパート)や経営管理者(ディレクター) の定義が広がり、労働許可証申請のハードルが下がった ことが大きなポイントです。

  •      学士号の原本提出不要 → 卒業証明書でOK
  •      専攻分野と業務経験の関連性不要 → 職務経験があれば許可可能
  •      管理職の範囲拡大 → 部門責任者も申請可能
  •      パスポート認証手続きの簡素化 → 企業の認証だけでOK

これにより、外国人労働者の雇用手続きがスムーズになり、企業の採用プロセスが迅速化されます。特に、海外からの人材獲得が容易になり、ベトナムのビジネス環境の国際化が進むことが期待されます。今後、ベトナムでの外国人労働者の雇用戦略を考える企業 は、この新しい規定を最大限に活用することが重要です。

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