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01 - 新規借入による既存債務の返済 |
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ベトナム国外からの借入の場合 |
新たにベトナム国外から借入れを行い、既存の借入れを返済するには、借入資金の利用計画が当局機関等によって承認されることが条件となります。新規借入には、既存借入よりも、しばしば高い金利や厳格な審査条件が伴います。その結果、資金調達に関するコストの負担が増加する傾向にあります。また、ローン契約の際には、貸主の権利保護に関する条項を定めることが一般的であるため、企業の自由な活動を制限する可能性があります(※貸主が銀行や第三者である場合)
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国内での借入の場合 |
ベトナム国内での借入れを活用することもできますが、そのような借入れが認められるのは、既存債務の早期返済を目的とする場合に限られます。また、次の2つの条件を満たす必要があります。
① 新規借入の返済期間が既存債務の残存期間を超えないこと。
② 既存債務の返済条件が、借り換え等により、過去に変更されていないこと。
ベトナム国内の借入では、銀行が提供する金利が比較的低い場合がありますが、担保条件や審査プロセスが厳しいため、日系企業や個人が簡単に利用できない可能性があります。
※具体的には、ベトナムの商業銀行は非常に魅力的な金利を提供しています。例えば、一部の銀行では既存の国内借入金利が年11~12%であるのに対し、新規借入の金利を年6~7%程度に設定したこともあります。しかし、こうした低金利での新規借入を実現するのは決して容易ではありません。日系企業や個人にとっては、以下のような理由から借入手続きが非常に難しい状況です。
① 適切な担保資産が必要。
② 早期返済手数料が高い(通常、早期返済額の3~4%)。
③ その他の費用の負担が大きい(資産評価手数料、公証手数料、担保登録費用、保険契約購入の義務など)。
これらの要因により、新規借入のコストが増加し、個人や日系企業は「ある困難を回避しても、別の困難に直面する。」ことになります。つまり、多くの労力を費やしても、新規借入のコストを既存の借入のコストと比較すると、それほど大きな差がないという結果になることがしばしばです。
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02 - 返済期限のリスケジュール |
返済期限のリスケジュールは、貸主と債務者の交渉、合意に基づき、次のいずれかの方法で実施されます。
• 分割払いスケジュールの変更: 一部または全額の元本および利息について、返済期限を延長すること
• 返済期間の延長: 元本および利息の返済期間を、既存契約の期限を超えて再調整すること
当該方法を実施するためには、貸主による債務者の信用評価と返済能力の確認が必要です。また、返済期日直前または期日から10~15日以内に合意を得ることが求められる場合が多いです。
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03 - 代替資産による債務弁済 |
特定の産業(不動産、石油、金融商品など)に属する企業は、流動性の高い資産を活用して債務を弁済することが可能です。例えば、不動産を現金化し、その資金を用いて負債を減少させることが挙げられます。ただし、この方法は以下のリスクを伴います。
• 資産評価額が市場価値を下回る場合には、損失が発生する可能性
• 資産の流動化にかかる時間とコスト
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04 - 金利や手数料の減免申請 |
グループ内融資や親子会社間取引においては、金利や手数料の減免が認められる場合があります。しかし、金融機関等の外部から調達する場合には、一般的に、貸主の利益保護が優先されるため、こうした有利な条件での借り換えは困難です。企業は、事前に、貸主との交渉戦略を十分に立て、債務の借り換えの合理性を説明する等の準備をする必要があります。
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05 - 一般的な注意点 |
債務の借り換えの過程では、次のような法的および財務リスクを考慮する必要があります:
① コンプライアンスの遵守: 債務の借換計画は、ベトナム法に基づき適正に行われなければなりません。
② 信用評価の維持: 債務の借り換えが企業の信用格付けに与える影響を最小限に抑える戦略が必要です。
③ 専門家の関与: 弁護士や財務コンサルタントの助言を得ることで、法的リスクを回避し、最適な債務の借り換えプランを設計できます。