公開 2024年09月07日  I 更新 2024年09月08日

1. ベトナムでの広告事業に関する外資規制、事業条件

※無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用をご遠慮いただきますようお願いいたします。

目次

17. 業種 21. 広告 NO.1

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1. 規制等の概要

 

事業名:広告事業

ベトナム法上の正式事業名

 CPCコード

VSICコード

広告事業

871

7310

※広告サービスの内訳

  •      広告の時間、空間の売却・賃貸
  •      広告計画作成、実施
  •      その他の広告サービス:屋外広告、 空中広告、サンプル品・広告資料の配達
  •      広告コンサルティング、広告に関する革新的サービス、広告に使用する原稿制作及びメディア関連計画実施

投資・事業に関する条件

WTOコミットメントに基づく条件

ベトナム国内法令に基づく条件(広告法 No.16/2012/QH13 号)

外国投資家は、単独(100%外資)でベトナムでの広告事業を行うことができません。WTOコミットメントにより、外国投資家(日本投資家を含む)は、ベトナムでの広告事業を行うために、合弁会社の設立又は事業協力契約(BCC)を通じて進出する必要があると規定します。

“注意事項”

注①  合弁会社の設立又はBCCにおける日本投資家の出資率が制限されていないため、日本投資家は、100%未満の出資率で行うことができます。

注② :合弁会社の設立またはBCC契約のパートナーとなるベトナム現地法人は、以下の2つの条件を満たす必要があります。

    • 法人各を有する必要があること(個人ではできません)

               ※外資100%のベトナム法人でも、ベトナム国内ローカル企業でもよい。

    • 広告事業を行う資格を有すること

また、広告業を行う外国企業(現地法人が存在しない場合)は、ベトナムで駐在員事務所を設立することができますが、支店を設立することができません。

外資系の広告事業者は、たばこの広告ができません。酒類の広告については、ベトナムローカル企業と平等の取り扱いです。

 

2. 広告行為の主体者

 

現行広告法の規定により、広告行為主体は、以下のものがあります。

1. 広告主(Advertisers

自らの製品、商品、サービス若しくは自分宣伝について広告する要求がある組織若しくは個人

2.広告サービス提供者(Advertising service providers

広告主との広告サービス提供契約に基づき、 広告過程の一つ・複数若しくは全部を履行する組織又は個人

3.広告出版者(Advertisement publishers

自らが管理する責任のある広告媒体を通じて、広告製品を紹介する組織若しくは個人です。例:新聞機関、出版社、 ウェブページ所有者、文化・スポーツプログラム組織者、その他広告媒体を使用する組織又は個人

4. 場所・広告媒体の賃貸者

場所(不動産)や広告媒体(看板、ネオン、 ウェブサイト、展覧会、イベント等)を有し、上記の広告行為主体との賃貸契約に基づき、 場所や広告媒体を提供する者

【コメント】

  •      WTO コミットメント中の「広告サービス」には上記の 2.広告サービス提供者に該当します。広告サービス提供者のみがその事業内容(広告業) を事業登録証明書に記載し、記載の範囲に属する活動のみが認められ(法 13 条)、他の広告行為主体には同様の規定が見られません。
  •      しかし、実際に、広告サービス提供者と広告出版者の区別が曖昧で、明確な見解がありませんので、多くの広告出版者は、保守的に広告サービス業も登録しています。

 

3. 広告活動に関する制限・条件

 

 (1) 禁止される広告内容

①  現行広告法の 7 条により、 次のようなものが広告の禁止対象とされています。

  •      営業禁止商品、役務
  •      タバコ、アルコール 15 度以上の酒類
  •      24 か月未満の幼児に対する母乳代替乳製品
  •      6 か月未満の幼児に対する栄養補助製品
  •      哺乳瓶または哺乳瓶の乳頭、処方用医薬品や医師の監督を要する医薬品
  •      性的刺激商品
  •      猟銃およびその弾丸
  •      スポーツ武器、ならびに暴力刺激製品・商品
  •      政府により定められる他の製品・商品・役務

 ベトナム国家の独立・尊厳・国旗・国歌・党旗や組織・個人の名誉・威信を損なう広告が禁じられ、特に、他の組織・個人の同種の商品や役務と、価格や品質、効果を直接比較する比較広告や、「第一」、「唯一」、「最良」、「最高」といった表現を使用する広告も禁止されています。

 

   電話や電子メールによる広告は、個人のプライバシーや権利を保護するため、一度拒否された後に再度送る広告は行政処分の対象となります。この他、広告の言語や広告手段ごとの詳細な条件も定められています。

 

    (2) 広告の一般条件

  •      広告対象である商品・サービスは、事業登録証明書を有する必要があること
  •      ベトナム法に基づき基準適合証等を求める商品・サービスの場合は、当該基準適合証等を有すること
  •      ベトナム法に基づき所有権証明書を求める財産の場合は、当該財産の所有権証明書を有すること

    (3) 特別の商品・サービスの広告をするために個別的な必要条件

 

特別な商品・サービス

主な条件

医薬品

流通許可証、保健省が承認された使用ガイドライン文書を
有する必要があります。

化粧品

化粧品の成分開示証明書を有すること

化学物製品

流通許可証を有すること

子供用栄養食品

基準適合証、衛生・安全証明書を有すること

食品・食品添加物

衛生・安全証明書を有すること

健康診断および病気治療サービス

事業活動ライセンスを有すること

医療設備

流通許可証を有すること

農薬
獣医薬等

製品登録証明書、製品の品質開示証明書を有すること

 

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