公開 2024年12月05日  I 更新 2025年01月14日

ベトナム不動産分野における外資規制

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ベトナム不動産分野における外資規制


不動産 公開 2024年12月05日  I 更新 2025年01月14日
目次

ベトナムにおいて、不動産事業は条件付き投資分野であるものの、外資系企業や外国人投資家にも一定の参入機会が提供されています。外資100%での事業展開が可能ですが、土地使用権の取得制限、住宅所有の条件、不動産事業およびサービスの運営要件といった規制が設けられています。また、外国人が保有できる住宅は商業住宅プロジェクトに限定され、所有できる軒数や期間にも制限があります。これらの条件を遵守しなければ、外資系企業や外国人投資家は、ベトナム不動産市場に参入することができません。

 

01 - 概要

 

不動産事業は、ベトナムがWTOに加盟した際のコミットメントには定められていませんが、国内の法律(不動産事業法や住宅法等)により、以下のとおりに外国投資家に開放されています。

  •       外国投資家(外資100%企業)でも、ベトナムにおいて、不動産事業を展開することができます。しかしながら、不動産事業は条件付きの投資分野であるため、以下の条件や制限が適用されます

         ※不動産事業とは、不動産開発、不動産賃貸・売買事業、不動産仲介等を含みます。

  •       外国人や外資系企業は、条件を満たせばベトナムで不動産(使用権)を保有できます。

 

02 - 不動産分野における主な外資規制

 

2

土地の使用権の取得に関する条件

 

   外資系企業は、ベトナムでの土地使用権を容易には、取得することができず、住宅建設やオフィス・ショッピングモール等といった建設投資プロジェクト(いわゆる不動産開発投資プロジェクト)を通じてのみ取得することができます。

 

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住宅の所有に関する条件

 

   所有できる対象の住宅:商業住宅建築のプロジェクトで建設される共同住宅および/または個別住宅でなければなりません。かつ、当該住宅は、治安維持及び国防に関連する地域に属さない地域に所在していなければなりません。

   所有できる軒数の条件:外国投資家が所有する住宅が総軒数の30%を超えることができず(共同住宅の場合)、プロジェクトごとによる個別住宅の総軒数の10%を超えることができず、また、最大250軒を超えることができません(半戸建住宅、個別住宅、別荘を含む個別住宅の場合)。

    所有期間:最大50年間です。満了した後に延長することが可能です。

 

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不動産事業を行う場合の条件

           

   前提として、不動産事業をするには、ベトナムでの現地法人を設立する必要があります。なお、最低資本金の要求はありません。

取引の対象となる不動産

不動産事業の範囲

a.  住宅、建物

·    転貸目的の賃借

b.  国家から割り当てられた土地

·    売却、賃貸、買受特約付賃貸を目的とする住宅建設投資

c.  国家から賃借する土地

·    賃貸を目的とする住宅建設投資

·    売却、賃貸、買受特約付賃貸のための建物建設投資

d. 工業団地、工業クラスター、輸出加工区、ハイテクパークにおいて、賃借する土地

·    土地使用目的に適正に従った事業を営むための建物建設投資

他の事業内容について

e.  売却、賃貸、買受特約付賃貸を目的とする住宅、建物の建設投資を行うための投資家の不動産プロジェクトの全部又は一部の譲受

  

2‐4

不動産サービス業を行う場合の条件

 

  前提条件として、現地法人設立の必要があります。

  不動産仲介サービスを運営する組織・個人は、不動産仲介実務証明書を有する者を少なくとも 2名、有さなければなりません。

  不動産取引所を運営する企業は、不動産仲介実務証明書を持つ者を少なくとも 2 名、有さなければなりません。また、不動産取引所の管理者・運営者は、不動産取引実務証明書を有さなければなりません。

 

 

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