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01 - 事案の概要 |
日本法人XXX社は、ベトナムで「クライアントの商品を推薦する」というウェブサイトを通じて、クライアントの商品・サービスに関する情報を発信するメディア(以下、「本件ウェッブサイト」と言います)を運営しています。本件ウェッブサイトを通じて、仲介手数料として収益化を図る予定があります。 【ポイント】
上記の点を踏まえ、XXX社よりベトナム法上の適法性および対応策に関するご相談をいただきました。 |
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02 - ベトナム弁護士による法的助言 |
▶ 法的論点①:越境仲介サービスの合法性(広告法・税務)
- 国境を越えて、ベトナムでの貿易仲介事業を行うことができません。
- その代わりに、越境広告サービスを検討する余地があります。政令70/2021/ND-CP第1条に基づき、外国企業が提供する越境広告サービスは合法とされております。ただし、以下の対応が求められます。
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- 広告開始の15日前までに、ベトナム管轄当局機関に対して通知を行うこと
- ベトナム国内で収益が発生する場合、契約者税(法人所得税)として5%を納税すること(※ベトナムでの拠点がないため、ベトナム国内のクライアントが広告費を支払う場合には、当該クライアントがXXX社に代わって納税手続を行うことが可能です。
▶ 法的論点②:著作権侵害リスク(知的財産法)
ベトナム知的財産法第25条および政令131/2013/ND-CP第18条に基づき、著作権者の許可なく著作物を複製・転載した場合、最大で35,000,000VNDの罰金が科される可能性がございます。
たとえ非営利目的であっても、出典が明記されていない場合には違法と判断されるおそれがございます。
✅提案される対応策:
- 他サイトから転載された表現については、オリジナル表現に編集し、可能な限り重複を回避すべきです。
- やむを得ず他の情報を引用する場合は、出典元URLと著作物名を明記し、著作権法第25条第1項dd号の「引用の例外」に該当させることが重要です。
- 全てのライターと著作権の取扱いに関する契約を書面で締結することを対応しなければなりません。
▶ 法的論点③:広告における禁止表現と制限(広告法)
ベトナム広告法第8条第11項により、「唯一」「最高」「ナンバーワン」などの表現は、文化体育観光省が発行した証明書がない限り使用が禁止されております。
本件ウェブサイトに掲載された一部の記事では、上記に類似する表現が用いられており、広告法違反と判断される可能性がございます。
✅提案される対応策:
- 営利目的で運営される場合には、全記事を精査し、禁止表現が含まれる場合は修正または削除することを推奨いたします。
- 条件付き商品(医薬品、化粧品、機能性食品など)については、広告出稿者からライセンス証明書を取得し、当該内容との整合性を確認する必要がございます。
◆結論と今後の対応指針◆ XXX社がベトナムで適法かつ安定的に情報メディアを運営するためには、以下のような対応が必要であると考えられます:
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